このホームページは学生の教育用に作成しました。遠藤が担当する授業科目の予復習にお役立てください。当該週の授業で使用のスライドや課題の電子ファイルを随時掲載しています。休講や授業日の変更については学部1階の掲示板でお知らせします。質問がありましたら授業終了後または遠藤の研究室(115号室)までお越しください。

1.津軽地域におけるリンゴ園の土壌管理について(秋肥の必要性の検討)

日本全国のリンゴ生産量の約57%に相当する約47万tは青森県産であり、その生産量は毎年第1位を維持しています。本県は冬期間の降雪量が多いので、融雪後に施肥を行う「春肥」が施肥基準として推奨されています。その理由は、他県で実施されている秋肥を本県において実施すると、春先の融雪水により施肥窒素が土壌深部へと溶脱するためです。秋肥は、翌春の花芽および新梢の初期生育を促進させる重要な役割を担っています。このため、融雪季初期においてもリンゴ樹の根が肥料成分を欲していることから、青森県以外では生産者に対して秋施肥の実施を指導している状況にあります。しかし、その一方で、青森県内のリンゴ生産者からは、秋施肥を実施しないで春施肥のみ実施することに対する疑問が呈されているのが現状です。積雪地域の果樹生産においては、秋肥および春肥の施用による無機態窒素の浸透流出挙動の詳細は明らかにされていないため、樹園地における窒素循環機構が解明されていません。したがって、この研究を行うことによって、果樹の生育面と土壌の環境面の双方から推奨できる、施肥体系や土壌管理技術を確立することが将来的に可能になると考えています。

このグラフは、黒ボク土農耕地における土壌間隙水のNO3-N濃度の位置的・時間的変化を表しています。最上のグラフは日降水量(mm/day)イソプレットの縦軸は土壌深度(cm)横軸は月、印は施肥のタイミングカラースケールNO3-N濃度(mg/L)を表し、白色が50 (mg/L)以上、黒色が0 (mg/L)です。樹園地(Type G)や野菜作の農耕地(Type C, D)では追肥回数や施肥量が多いです。これらの農耕地では、春先~梅雨時季の降水によって、土壌中に残存しているNO3-Nが、土壌深部へと一挙に浸透流出していくことがわかります。


生物共生教育研究センター藤崎農場リンゴ園での土壌サンプリングの様子